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統合失調症女子のポジティブログ

統合失調症持ちの20代女子が闘病記やポジティブ思考のコツなどを書いていきます!

【書評】喜多川泰さん著、「手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~」を読んで

手紙屋 喜多川泰

 

私が会社に入社して1ヶ月が経った頃、読んだ本です。

会社に入社したのなら最善の働き方をしたい。そんな思いで主人公の西山諒太と一緒に、働くことの意味を見つめなおすことにしました。

 

 

目次

 

あらすじ

諒太は「就職活動」に悩む大学四年生だ。就活の波に乗り遅れつつも、やりたいことが決まっていない、就活生にはよくあるパターンだ。

 

そんな彼に、一枚のはがきが届いた。それは彼がよく利用する「書楽」という施設からのものだった。

「書楽」は一見普通の喫茶店だが、提供しているものがコーヒーだけでなく、書斎という空間であり、一人でしか利用できないという、一風変わった施設だ。

 

はがきには、手書きでこう書かれていた。

 

『お誕生日おめでとうございます。四月四日はあなたが生まれた特別な日。

書楽ではあなたのために、とても素敵な贈り物をご用意しています。

誕生日の前後一週間でお時間がありましたら、ぜひお立ち寄りください。

その際には、このはがきの左下を点線部分から切り取ってお持ちください。心よりお待ちしております。』

 

はがきの左下には参画の「誕生日優待券」があった。

書楽の受付の女の子、内田和花に聴いてみると、このはがきを書いたのは和花で、書楽からの誕生日プレゼントは物ではなく「空間」の提供だった。

その空間は通称「玉座」といった、ひときわ幅の広い机、社長が座るような大き目のいす、いかにも高級そうな備品に囲まれた、特別な人だけが使うことを許された空間だ。そんな玉座を利用する権利を得た諒太は、1枚の広告らしきものを目にした。

 

『はじめまして、手紙屋です』

 

そこから、彼の人生は一変した。

 

『はじめまして、手紙屋です。

 

私は、希望される方と”手紙のやり取り”をすることを仕事としています。

お送りするお手紙は全部で十通。

その十通の手紙で、あなたが人生で実現したいことを実現するお手伝いをさせていただきたいと思います』

 

具体的には上記のようなことが書かれていた。

 

諒太は恐れつつも『手紙屋』の存在に興味を持ち、十通の手紙のやり取りをした。

 

ここでは、手紙屋の手紙の中で特に印象的だったものを紹介します。

 

1.『物々交換』

もしあなたが欲しいものがあった時、どうやって手に入れますか?

多くの就活生は「お金を払って手に入れる」ことを考え、安定して収入を得られる企業に目をつけていることでしょう。しかし、企業に”安帝”と”収入”を求めるだけではビジネスは通用しません。

 

手紙屋は、欲しいものを手に入れる方法の基本は『物々交換』だと述べています。

『相手の持っているものの中で自分が欲しいものと、自分が持っているものの中で相手が欲しがるものを、お互いがちょうどいいと思う量で交換している』

 

就活に当てはめれば『会社が持っているものの中で自分が欲しい”お金”や”安定”と、自分が持っているものの中で相手が欲しがる”労働力”や”時間”をお互いがちょうどいいと思う量で交換している』ということになると述べています。

ですが就活生には”労働力”がありません。そこで、企業が欲しがるのが”人柄”ではないかと思います。仕事が大変でもこの人となら乗り越えられそうだ、この人がいると周囲のモチベーションが上がる。そんな”人柄”が就活をする上で重要なんだと思います。

 

ビジネス以外にも、恋愛や友情でも『物々交換』は成り立っているでしょう。

彼氏がご飯をおごってくれる代わりに、彼女は精一杯おしゃれをする。友達同士、誕生日が来たらお互いにプレゼントを渡す。そんな感じで、相手が欲しがるものが何なのかを考えることで、いい人間関係が気付けるのだと思います。

 

2.『思い通りの人生を送る』

世間には、『人生は思い通りに行かない』と感じている人が多いですが、手紙屋は『人生は思い通りに行く』と言っています。

 

もちろん適当に過ごして人生が思い通りに行くわけではありません。

『思い通りの人生を送る』方法は、頭の中に”天秤”を用意することです。天秤の片方の皿の上には、あなたの手に入れたいものを載せます。もう片方の皿にはそれを手に入れるために必要なものを載せます。

例えば手に入れたいものが資格だった場合は、資格取得のために必要な時間、勉強量などを載せます。チームで一番野球がうまくなりたいのなら、”チームの誰よりも意味ある練習をたくさんする”というものを載せます。

こうして天秤が釣り合った時、夢を実現できるのです。

 

しかし、天秤が釣り合ったことにより、『本当のピンチ』が訪れるケースもあります。

それは、手に入れたいものに対して反対の皿にのせているものが違っているにもかかわらず、それが手に入ってしまうことです。間違った方法で成功してしまうと、近い将来必ず「あの時うまくいってたのに…」と後悔することになるでしょう。

 

本編では諒太は大手企業で最終面接まで行ったにもかかわらず、不採用となりました。

でもだからこそ身に付けられる精神的強さがある。そう手紙屋は言っています。

私も会社に行くのが嫌で入院してしまいましたが、だからこそ自分と向き合う時間が得られたのかなと思います。

 

3.『今、目の前にあるものに全力を注いで生きる』

もしあなたがある仕事に憧れを抱き、夢を持って生きてきたのなら、どうやったらなれるかという”必要条件”を満たす以上の勉強をするはずです。自分の夢を実現するには、『しっかりしたゴールを持ち、常にそのゴールを忘れない』ことが大事だと言います。

しかし、それ以上に大切なことが、『今、目の前にあるものに全力を注いで生きる』ことです。

 

例えば明後日までに第一志望のESを提出しなければならないとして、明日までに大学の課題をやらなければならないとしたら、今日は何をすべきでしょう?

将来をより大きく左右するのは前者の方でしょう。しかし、大学の課題をさぼって企業の前でだけ人柄を良くしようとする就活生は、内定をもらえたとしてもいずれボロが出るでしょう。

このように、一見将来の夢をかなえるにあたって障害になるものでも、『目の前にあるものに全力を注いで生きること』が重要です。

 

まとめ

諒太と手紙屋を通して学ぶ「働くことの意味」。

これから就活を迎える人だけでなく、今の働き方に疑念を抱いている人にも刺さる一冊です。

働くということが単にお金と時間のやり取りだけでなく、それ以上の価値があるということを、この「手紙屋」を通じて知ってもらえればと思います。